2015年03月10日
若年無業者における学生段階でのつまずき
~就職希望を表明していない「非希望型」では大学・短大進学者でも4割が中退~
若年無業者のうち就労困難である「就職希望はあるものの求職活動を行っていない人」は一般に比べて中退を経験している割合が高い。「就職希望を表明していない人」では中退の割合も高く、学生時代のアルバイトの経験も少ない。学生生活の段階でなんらかのつまずきに遭遇した可能性が高い。
・求職活動を行っている「求職型」
・就業希望はあるも求職活動は行っていない「非求職型」
・就職希望を表明していない「非希望型」
に分類した調査研究結果をご紹介しています。詳しい定義はこちらをご参照ください。
若年無業者における中退率についてみると、大学・短大中退率は全体で2割であるが、求職型では1割、非求職型では3割、非希望型では4割となっている。
『中退白書2010——高等教育機関からの中退』(日本中退予防研究所)によれば、高校入学から卒業までの3年間で6.1%が中退する。大学では入学から卒業までの4年間で12.6%が中退している。求職型では、高校中退は4.9%、大学・短大中退は10.7%となっており、おおむね一般の中退率と同様の結果となった。
一方で、非求職型、非希望型では中退の割合が一般に比べてもかなり高いことがわかる。こうした結果より、2点の解釈が導き出される。1点目は、このことから、非求職型、非希望型が学生生活の段階でなんらかのつまずきに遭遇しているということ。2点目は中退という経歴が求職行動の足かせになっているということである。
併せて、若年無業者のアルバイト経験についてみると、アルバイト経験ありは全体で4割、非希望型では2割となっている。3類型のなかでも特に非希望型では学生生活の段階でなんらかのつまずきに遭遇した可能性が高いことが伺える。
中退などで学校を離れると、無業期間が長期化しかねない。このような若者を早期に発見する仕組みが必要であろう。
(http://www.sodateage.net/voice/347/)