“高校の担任の先生のための情報誌”「SA-CLASS(サクラス)」に掲載いただきました。
(特集) 1万人の若者をサポートしてきた社会企業家が伝えたいこと
高校生にとって先生は外の世界への架け橋です。
この国で「若者」と定義されている15歳から39歳の人たちは3,600万人ほどです。その中で失業者も含む「無業者」の数は230万人。つまり、若者のうちで働けていない人は16人に1人の割合でいます。可能性のある潜在層も含めると10人に1人程度となるので高校のクラスの中で2~3人は将来「無業」という状態に陥るかもしれないということになります。
育て上げネットの核となるサービスは「ジョブトレ」という就労訓練プログラムです。ジョブトレを利用されるのは、働きたいのに働けないことに悩む方々です。相談に来られたその方の状態やペースに合わせて、生活リズムの改善から仕事に向かうためのさまざまなスキル形成まで、徐々にステップアップしていくことのできる仕組みを準備しています。
支援を続けていくとあることに気がつきます。大学で就職活動がうまくいかなかったり、早期に退職してしまった場合。ハローワークという場所を知っているか否かが、働きだせるかとひきこもってしまうかの分かれ道だったりするわけです。人生につまずいた人たちの話を聞けば聞くほど、もっと早い段階で誰かが伝えていてあげていれば、と思わざるをえません。働き始める前に、金銭の問題や基本的な労働雇用の問題、ITリテラシーの問題などを教える必要を感じます。
育て上げネットのコア事業の一つでもある学校への「教育支援事業」は、そういった人生の切り抜け方だったり、基本的な社会のインフラを学べる出張授業を行ったりしています。
(2014.7.29付 SA-CLASS Vol.14より抜粋)