「若者と社会をつなぐ」をミッションに子ども・若者を支える認定NPO法人育て上げネット(東京都立川市、理事長:工藤啓)は、経済困窮やひとり親世帯など孤立・孤独状態に陥りやすい家族に相談支援プログラムを提供するため継続寄付の募集を開始します。
プロジェクト詳細・寄付の受付はこちら:https://readyfor.jp/projects/yui/
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「本人を連れてきてください」保護者だけで利用できる支援が求められる
きっかけは相談に来る保護者から挙がってくる声にありました。
せっかくカウンセリングやクリニックに相談に行ったのに「本人を連れてこないと何もできない」と断られたと私たちに相談しにきた保護者が後を絶たなかったのです。
「家から出られないわが子に何かできることはないか――
そう願って頼ったのに何もしてもらえなかった。私たちに味方はいないんです。」
私たちは、本人が家から出られなくてもできることがあるのではないかと考え、「結」の活動を始めました。
「結」は欧米で生まれた「家族システムズアプローチ」を基盤に構成されています。
「家族」をひとつのシステム(仕組み・構造)と捉え、ひとりひとりの役割や関わりを見直していきます。家族が変わることで社会とつながる元気を取り戻してもらうことを目指しています。
この技法をベースにこれまで300世帯以上の家族とつながりを持ち活動をしてきました。
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子育ての悩みを相談相手できないそんな保護者が激増している
結はニート・ひきこもり等と呼ばれる 《社会から孤立した若者》を支援するNPO・育て上げネットが運営しており、さまざまな生きづらさを抱える若者を支えるプログラムを展開しています。
若者を支えていくうち、周囲にいる保護者も苦しい状況にあることが分かってきました。
” 相談できる人がいない “
” ひきこもっていると周りに知られたくない “
そんな声がそこかしこから聞こえてきています。
子どものことを「相談できない」は多くの保護者の悩みになりつつあります。
2003年に行われた調査(※1)では「子育ての相談相手がいない」と回答した母親は0.1%しかいませんでした。ほとんどの方が困ったときに頼ることができる相手がいたことが分かります。
時代が進むにつれ、この値は増えていきます。2008年の調査(※2)では、相談できる相手が「いない」と回答した母親は5.0%を超え、2022年(※3)には子育て世代の33.6%が「誰にも相談していない」と回答しています。
これらは継続的な調査ではありませんから、あくまで参考の統計データですが、子育て世代にとって「相談相手がいない」という悩みが次第に大きくなっていることが垣間見えます。
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保護者向けの相談は「ドロドロ」を置いて帰る場所
あるカウンセラーは私たちのような支援についてこう話しています。
「家族」はひとりひとりの複雑な感情がうごめいている。
カウンセリングはそのドロドロした状態から抜け出す方法のひとつ。
家のなかにあるドロドロを相談員に預けて、家の生活に戻ればいい。
また溜まってきたらカウンセリングを受けて預けていく。
私たちの支援活動は家族の「負担を解消する」ための存在であります。
特効薬のように即効性があって、すべてを解決・・・なんてことはありませんが、第三者として家族を支えることができます。
半数以上は「利用したくない」と回答ボトルネックは「負担が減らないから」
結の活動を継続していると、保護者の実情と向き合うことになります。
たとえば、調査会社のリサーチでは、子育て世帯の半数以上は「(支援サービスを)使ってみたいとは思わない・使いたくない」と回答しています。(※4)
その理由に挙げられるのが「費用負担」の問題です。
ただでさえ子育ては支出が絶えないのに、さらなる負担が利用障壁となっています。
次いで多いのが「子育ての負担が軽減されない」です。
サービスを利用しても悩みが解消されなければ価値を感じていただけないことがわかります。
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解決志向の家族支援で保護者の負担を低減させたい
結が大切にしている2つのキーワードがあります。
ひとつは「解決志向」です。
私たちは保護者や本人が実現したい未来に向かうための支援プログラムです。
関わり方、声のかけ方、振る舞いを変えていくことで現状を打破するきっかけを作ります。
もうひとつのキーワードは「保護者がラクになること」です。
誰にも相談できないこと、自分がどうにかしなければというプレッシャー。
実は「そんなふうに悩ませてしまっているなんて…」と子どもにも伝播していることが分かっています。
保護者が子ども以外のことを考える時間が増えていくと。不思議と子どもの方も頑張る力が高まっていくことがあります。
互いが自立していくことで、互いがラクになっていく。そんな支援を「結」は目指しています。
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<支援のお願い>
私たちは「負担を軽減する」という点で、多くのご家族の力になれる自負があります。
しかし利用料がハードルとなって、諦めの要因になってしまうことも事実です。
諦めるケースのなかにはひとり親世帯など経済的な困窮状態も少なからずいらっしゃいます。
支援を必要とする方にも費用の心配をせずに支援サービスを利用していただきたいと考えています。
これまでは助成金や補助金を活用して無料の利用枠を設けてきましたが、助成金は単年度のものがほとんどで、来年も無料枠を用意できる確証がありません。
相談したい方が費用の面で諦めることのないよう、みなさまのお力を借りられれば幸いです。
<想定される活用方法>
■サービス利用料
■(必要に応じて)出張費用の充当(※)
※ご家庭への出張相談は交通費を別途いただいております。遠方になると費用負担が難しいために利用を断念されるケースがあります。
<想定される対象者>
■経済的な余裕がない世帯
■ひとり親世帯
■定年退職して経済負担が難しい世帯
<費用の想定>
■1世帯あたりの月額:2,750円~11,000円
※30分程度のミニ相談の場合から、メールや電話などフルサポートを行う場合で費用が異なります。
<寄付活動のイメージ>
※上記例の場合、寄付金受領証は12,000円を発行します。
※事務費には、クラウドファンディングページの運営や寄付いただいたみなさまの情報管理、調査・研究をはじめとするバックオフィス業務にかかる人件費を主なものとして、本活動に関係する広報活動の費用に充てさせていただきます。本活動を通じて若者の抱える生きづらさを広く知っていただくため、ご理解いただけましたら幸いです。
■企画概要
プロジェクトページ:https://readyfor.jp/projects/yui/
開始日:2023年6月15日10時~
活用方法:ひとり親や経済困窮世帯などに向けた相談支援の無償提供
最低寄付金額:500円~/月(自動決済の継続型寄付)
【育て上げネットについて】
育て上げネットは、すべての若者が社会的所属を獲得し、「働く」と「働き続ける」を実現できる社会を⽬指し、若者と社会をつなぐ活動を⾏う認定特定⾮営利活動法⼈です。若者⽀援を「社会投資」ととらえ、無業の状態にある若者の就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」や、その保護者の⽀援、学校やコミュニティ向けの教育⽀援プログラムを実施しています。また当事者だけでなく、地域社会・⾏政・企業と連携した⽀援者の育成など、多岐に渡る活動を展開し社会全体で若者を⽀援する⼟壌を創っています。
https://www.sodateage.net/
(※1)子育て支援策等に関する調査研究,第2章34-40ページ(3)図表: 2-1-51子育てについての相談相手より(厚生労働省,2003)
(※2)平成20年度 少子化施策利用者意向調査の構築に向けた調査報告書,2.3.1地域の子育て支援 図表: 3-3 気軽に子育てについて相談できる相手の有無より(内閣府,2008)
(※3)子育ての悩みに関するアンケート(日本トレンドリサーチ,2022)
(※4)子育て当事者の課題と子育て支援策のニーズ調査(NTTデータ研究所,2023)