利用者の声
ちょうど30歳のとき、父親に連れられてジョブトレの面談に行きました。今からもう10年以上前です。ハッキリとは覚えていないですが、気持ち的には嫌だったけれど、いい加減動かないとダメかなというのも半分くらい。それまでは大学を5年かけて卒業してからずっと家でぶらぶらしていました。卒業前に就職活動というのもしたんですが、書類や面接で通らなかったです。その後は父親にいろいろ探してもらったけど決まらなくって…それから家族とは険悪な感じで、毎日外で時間をつぶしてました。
最初は週3日で通い出して、1年半くらいして卒業するころは、月曜から金曜までジョブトレに行ってたと思います。
通うことが決まってすぐに、みこしを担いだんです、立川のお祭りで。楽しかったんですけど、そんなスタートで最初は何をするとこか、よくわかりませんでした。でも農業とか清掃とか、いろんな作業体験をしていくうち、同じ年代やちょっと下の人たちと少しずつ話せるようになってジョブトレに通うことが楽しくなりました。
1年くらい経って、スタッフさんからは「そろそろ就職だよね」と言われていましたが、どんな仕事がしたいのかよくわからないし、なかなか動き出せなかったです。あとから入って来た人たちに作業のやり方とかを教えたり、日曜日にも清掃作業があったときは「来てくれない?」って呼ばれて行ったり、なんか今までそういう頼られることってなかったので、ジョブトレにまだいたい気持ちが強かったんです。そうしているうち、スタッフさんの知り合いのつながりで、学童保育でインターンする話が決まりました。自分で決めたというよりは言われるままそうなった感じです。
なぜかというと、自分はもともと子どもが好きで、スタッフさんの子どもと遊んだりもしていたんです。でも、それが仕事になるとは思っていなくて、言われたときは少し驚きました。
インターンに週1回通いながら、他の日はジョブトレに行きました。インターンで経験を積んで、結局就職したのは保育園です。たまたまある園の用務員の募集があって、いきたいならすぐに電話した方がいいよって言われて、連絡して面接を受け、一気に決まった感じですね。自分はたぶん「こういう仕事があるんだけど、よく考えてみて」みたいにすすめてもらっていたら、絶対自分では決められなかった。あれこれ悩むヒマも緊張する間もなかったのが、自分にはよかったと思います。
そこの1年契約が終わったら、またスタッフさんから小学校で仕事があると教えてもらって、今度は車いすの子どもを学校で介助する仕事をしました。その後は、縁あって放課後デイの仕事を続けています。小学生から高校生まで来てるので、相手をすることもあるんですけど、保護者に渡す書類を用意するとか、コロナ対策でイスや机をしょっちゅう拭いたり、いろんな仕事があります。
正直、もっとお給料のいいところで働きたい気持ちはあります。でもコロナのこともあって、仕事場でどんどん人が辞めちゃって…このままだと子どもたちが来れる場所がなくなっちゃうかもしれない。そう思うと、やっぱり続けていますね。
コロナになる前は、ジョブトレの卒業生も土曜日に行って、作業を手伝ったり、おやつを食べながら話したり、すごい楽しみにしてました。自分は家にいると居心地が悪いんで(笑)、早く元の通りにもどってほしいです。
【スタッフ・阿部より】
他のメンバーよりやや年上ながら、物腰の柔らかいアキラさんは、みんなから「おとん」と呼ばれて頼りにされっぱなしでした。他のメンバーさんに、指導役をかってでてくれたり、ぼくの子どもを連れて行くといつも上手に遊んでくれたこと思い出します。今のお仕事はそんなアキラさんにはピッタリ。学校や放課後デイの仕事でも頼りにされて、長く働き続けられる場にたどりつけたのではと感じています。ジョブトレが拠り所となってこれからもたくさんの人たちに頼られ、活躍されることを願っています。