来年度から就職氷河期世代に対する支援が始まります。行動指針が出されましたので、これから各自治体は具体的に何をしていくのか、まさにいま検討段階ではないかと思います。
育て上げネットでは、「ひきこもり」に特化して支援をしているわけではありませんが、そのなかでご取材の機会をいただいたのが若年者就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」です。
氷河期40万人「ひきこもり」支援の切実な現場 実社会との「溝」を埋めれば活躍の場はある | 最新の週刊東洋経済 - 東洋経済オンライン
ここではジョブトレの中でも、IT関連分野の取り組み(ジョブトレIT)についてご取材いただきました。IT分野に就職したい若者も参加していますが、これから先のことを考えて、「ITの仕事」に触れてみたという若者も多く参加しています。そのためプログラム終了後の進路はバラバラです。
※現在は定員が埋まっておりますが、4月より新たな期が始まりますのでご関心あればお問合せください。個人や企業からのご寄付により、費用負担をいただかなくても参加可能な場合がございます。
ただ、「通所」という特定の場所に通うプログラムは、物理的に通うことのできないところにお住いの若者は参加できません。交通費をこちらで負担させていただく枠もありますが、遠方だと費用の問題ではありません。
それでも参加してみたいという声をいただいており、現在、試験的にオンラインでのプログラムを実施しています。特に希望者が多かったWeb制作講座でチャレンジしていますが、想像以上に満足度高く、若者が期待する未来に近づけている印象です。
オンラインでつなぎながら、講師と参加者のコミュニケーションはSlackを活用しています。講座中はご自宅などから参加していますが、それでもコミュニケーションの総量が増えるにつれて仲間意識も育まれてきます。
作業は個人のペースに合わせているため、先に進んでいるひとにやり方を聞くこともできます。頼り、頼られる関係性は必然的に信頼感の醸成につながるようです。
オンラインの講座なので、実際に「会う」ことを前提としていませんが、最終回には講座参加者の希望でみなさん立川の事務所まで、講師と仲間に会いにきてくれました。画面越しで対面し、チャットしてコミュニケーションを積み重ねているため、初めて会っているけれども、何度も話している不思議な空間です。
ただ、若い世代にとって、それ自体がものすごく不思議というわけでもなさそうです。
講座で使用しているソフトはプロも使用しているもののため、企業インターンでも操作性に不十分性はなく、先日は、数年間自宅から出ることのできなかった方で、未経験ではあったのですが、就職が決まったという報告もいただきました。
上記の記事にもありますが、育て上げネットは就労支援団体です。その人に合った「働く」を一緒に考え、伴走していきます。就職を希望される方にはそれが実現できるように、まずは小さな活動からであれば、同じくそれを実現できるように支えていきます。
とは言え、就労支援団体にいきなり行くのは不安という声も少なからずありますので、最近では、ゲームやe-sportsなど、好きなことでまずは自由に参加できる機会作りにもチャレンジしています。
こちらもご関心あれば、ぜひお越しください。若者にかかわる仕事をされる方の見学も歓迎いたします。
工藤 啓