NPOが目指すところ
若者支援のNPOとして、常に念頭に置いているのは、何か若者にとってよいサービスができたとき、自分たちが手の届かない場所にいても、そのサービスを使いたい若者にも機会が提供されることです。
その方法はたくさんありますが、ひとつの形として「国や自治体の政策になる」ということです。基本的に公的機関が行うものは無料であり、持続可能性を担保するためのビジネスモデルも入りません。
公的機関だから無制限に予算が投下されることはありませんが、若者がサービスを活用するにあたって安全と安心を感じられる枠組みとして政策は大きな力になります。
これまで育て上げネットは日本マイクロソフト社とともに、基本的なITスキルの獲得と就労支援を組み合わせた「若者UPプロジェクト」を実践してきました。最初は首都圏5か所で始まったプロジェクトも、全国40か所を超え、年間で延べ10,000人の若者が利用するサービスに発展しました。
そして今年度から「若者UPプロジェクト」は厚生労働省が行う「地域若者サポートステーション」事業のなかに継承されることになりました。まさに「政策化」したといってもよいと考えています。
これにより、全国約170か所で基本的なITスキルと就労支援を組み合わせたサービスを提供する素地が整ったと言えます。地域若者サポートステーションは、公設民営で多様な民間主体が運営しております。そこでは民間受託者の創意工夫、独自の意思決定がありますので、素地を整えたところにどのような意思決定がなされるかは個別的となります。
私たちとしてひとつの成果になったという認識でおりましたが、さまざまなセクターの方々から、プロジェクトが政策化するまでのプロセスをまとめ、オープンにしてほしいというご要望をいただきました。
そこで日本マイクロソフト社と協議をし、若者UPプロジェクトをケーススタディとしてまとめています。まとめたレポートをいつオープンにできるかは現在、関係者で協議をしているところですが、先行して下記イベントにて共有の機会を作りました。
ケーススタディ「企業CSR×NPO」の協働が「政策」になるまで ~ 若者UPプロジェクトを題材に ~
もし、ご関心がございましたらぜひご参加ください。
現在、育て上げネットでは2019年度に向けた採用情報を公開しております。若者や子どもと向き合う支援職から、企業や行政との協働を創る業務、広報やファンドレイズまで、一緒に活動する仲間を募集しています。
認定特定非営利活動法人 育て上げネット の採用・求人|スタンバイ
※育て上げネットでは「多様な働き方」を実現すべく、直接雇用のみならず、パートナー契約、インターンシップ、プロボノなどのかかわりがあります。どういう形であればご一緒できるか、皆さまのご期待、ご希望もぜひお聞かせください。
理事長 工藤 啓