育て上げブログ

2021年12月28日

岸田総理に直接訴えかけたこと


岸田総理、野田孤立・孤独相との対話 

2021年も終わろうとしていたとき、内閣官房より一通のメールがありました。2021年12月27日午前中、生活することに苦慮し、孤立・孤独状態にある方々について岸田総理、野田孤立・孤独相と車座になって話をする機会をいただけるものでした。 

多忙なお二人との対話に許された時間は数分ということで、当初は内閣官房にあんなことやこんなことをお伝えしたいとメモも作成して提出しましたが、とても短い時間のためいくつかの論点に絞り込むことに決めました。 

会場となった認定NPO法人もやいさんの事務所には、とても多くの報道陣がかけつけており、映像からは見えづらい、緊張感のある雰囲気がありました。 

6名の出席者は、それぞれの現場で見えている困窮する方々への窮状と実情、政府が取り組むべき施策について述べました。 

僕自身は、若い世代についての話のなかで簡潔に以下のことを伝えました 

・子ども若者育成支援推進法において、若者は15歳から30代までが含まれており、国の政策対象年齢もそれに倣っている。しかし、コロナ禍の対策においての「若者」文脈は、10代や未成年、大学生など対象年齢が20代半ばくらいまでになってしまっていること 

・生活の土台が崩れているため、立て直しできる政策が重要。加えて、就労プログラムを通じて非常に多くの方が「リスキリング」に取り組み、次の仕事を見つけようとされているが、うまく雇用・労働政策とマッチしてないこと。職業訓練を受けながら資金などを受けられる求職者支援制度の充実・拡充なども図ってほしい 

とても短い時間のため、その背景にあるものや、詳細にまで踏み込めませんでしたが、他の出席者の方々もコメントを拾ってくださったこともあり、全体的に伝えたいことを補強してくださったのはありがたかったです。 

困っている方を支援している支援者を支援してほしい 

困っている方々により一層の支援策を行っていくことは出席者一同が訴えたことです。各現場から見えていることは異なっていても、まだまだ足りてないところがたくさんあるんだということは一致してました。 

対話の流れのなかで、野田大臣がご自身の質問時間を、全体の対話時間に空けてくれましたので、すぐに追加でコメントさせていただきました。 

困っている方を支えている現場には、「支援者」がいます(呼称は便宜的にこれにします)。多くの予算が一過性で増えても、「支援者」はすぐに増やせるわけでも、経験を積めるわけでもありません。 

一過性かつ単年度のような予算執行は、経営的にも難易度が高く、そこで働く「支援者」も落ち着いて支援や伴走することができません。また、コロナ禍で「エッセンシャルワーカー」という、私たちの生活土台を支える職業、それに従事される方々にスポットライトがあたりました。 

僕は、生活に困窮するひとたちを目の前で支えている「支援者」という存在にもスポットライトがあたり、かつ、リスペクトだけでなく、安定した職業としての状況・環境を作ることもまた政府の役割だと訴えました。 

具体的には、複数年度にまたげるよう「基金」創設など、他の出席者も意見を出してくださいました。 

基本的に単年度でなくなったり、入れ替わりが入札等の制度で頻繁に起こるようなことなのに補助金(すべてではないです)と異なり、国や行政の委託事業の大半は単年度です。経営者の視点からすれば、単年度委託事業との付き合い方は経営計画や経営戦略の範囲とも言えますが、そもそも社会的な視点からすれば、不安定な公的事業そのものが経営どころか、現場での支援を難しくさせている構造に目を向けなければならないと考えます。 

育て上げネットも、他の出席者の所属する団体にも通底していましたが、不安定な公的事業によって経営リスクを回避できるのは、多くの寄付者個人・企業に支えられている部分もあります。 

2021年も何とか仲間たちと乗り切れたのは、寄付者の方々のおかげです。今年も来年も苦しい若者は増えていく見込みです。就労支援を中心としながら、生活基盤も支えていく活動を続けていきます。 

若い世代、たくさんの「若者」が困窮することなく、孤立や孤独状態に陥ることなく、穏やかに生活を送ることができるよう来年も頑張ります。 

若者を応援するたくさんの応援者、支援者を支援してくださる支援者のみなさまとともに、若者のために活動させてください。 

読んでくださるみなさまのご寄付を通じて若い世代を応援していきます! 

ご寄付をお願いします‣https://fr.sodateage.net/wp/frlp/ 

理事長 工藤啓


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