育て上げブログ

2021年07月29日

リモートワークだからこそ光る可能性を見つけるために


ネガティブに捉えられていた若者が、可能性の塊という評価に

ーー育て上げネットに集う若者は可能性の塊ですね。

そのような温かい言葉をいただくことが増えました。特にコロナ以降、明らかな変化があります。

一日中ゲームしかしていないことは、一日中ゲームをすることができる若者。対面コミュニケーションが苦手であっても、チャット上のコミュニケーションが非常に優れている。外出や通勤にストレスを感じていても、自宅からしっかりリモートワークができる。

これまでの仕事のあり方が変わらない職場がある一方、これまでは一部でしかなかった仕事、働き方も生まれてきました。ネガティブな要素と観られていたことは、新たな才能として認識されることになりました。

ただ、その若者に合った「働く」を一緒に考え、その実現のために伴走する行為である就労支援の現場でも、これら急激な変化に対して、力不足な側面があります。

それは、若者が自身の可能性に気が付くきっかけがないこと。その才能を他者からの評価によって自覚できる環境が少ないこと。周囲のひとたちがいまだ現状をネガティブな要素しかないと捉えていることです。

若者が自らの可能性に気が付く環境を作りたい

育て上げネットでは、8月24日(火)より第3期ステップ・キャンプを開始します。先日より、参加希望者の募集を始めました。

‣詳細:第3期ステップ・キャンプ/「マインクラフトから学ぶ!論理的思考」マインピック
‣動画を通じた説明会はコチラです
※パソコン等の貸し出しをしています。台数に限りがありますので貸出を希望される方はお早めにご相談ください

今回のステップ・キャンプで使うのはMinecraft(マインクラフト)というサンドボックスビデオゲームです。仮想空間(パソコン)上に、サイコロ型のブロックを使って世界を創造していきます。「ゲーム」と言えばゲームかもしれませんが、もはや学校教育でも使われるほど、そこから学べることが大きな教育教材でもあります。

この通称「マイクラ」は、子どもから大人まで幅広く使われており、世界中で愛されているゲームです。詳細は省きますが、物事を順序立てて進めていくことや、自分の想像をカタチにする力が重要です。

このマイクラを使って、オンライン上に作ったチームでプログラムを進めていきます。今回は「レッドストーン回路」を用いて、障害物競争のコースを作成します。

第2期の評判が非常によかったため、急遽第3期もマイクラを活用することになりました。これをゲームをするだけと捉えてしまうと、若者の可能性には気づくことができません。また、チームでやってみないと、参加者自身が自らの才能を自覚することも難しく、だからこそプログラムとして成立しているとも言えます。

私もときどきプログラムをのぞきに行きます。参加者は「その場」にいませんので、私自身もオンラインで参加します。

参加する若者がスクリーンで顔を映すこともあれば、ずっとオフのこともあります。自ら言葉を発することもあれば、講師の質問に回答することもあります。一言も発しないことがあります。そのような若者も、特に最初は多いです。

しかし、これまでの職場のイメージであれば、言葉を発せず、表情を見せないと、何となくコミュニケーションがとりづらいひとと認識されてしまうかもしれません。一方、新しい変化によって、対面以外でのコミュニケーションも重要視されるなか、チームや参加者同士が話し合い、意見を出しながら、情報を整理していく環境は「チャット」機能上で表現されます。

話し合われた内容を颯爽とテキストにしてくれるひと。ちょっとわかりづらい表現や内容はすぐに検索をしてリンクを貼付してくれるひと。絵図をデジタル化して共有してくれるひと。テキストを使ってリーダーシップを発揮しながら、みんなをまとめてくれるひと。

チャットのタイムラインを観ながら、対面だったらうまく話ができなかったり、意見はあるけれどそれを言葉で共有するには一定の配慮が必要なひとたちであっても、このオンライン上の環境だと、その力を十二分に発揮する若者がいます。

大切なのは選択肢を広げること/削ること

少なからず対面が苦手→オンラインが得意/ましと考える大人がいますが、それもまた違います。対面とオンラインは表裏なわけではなく、どちらも得意なひともいれば、どちらも苦手というひともいます。

また、若いからできるとか、そういうわけでもありません。私たちが大切にしているのは、その若者の選択肢を広げること/削ることです。ひとはやってみないことにはわからないことがたくさんあります。そして、ひとりではやってみれないことも少なくありません。

ステップ・キャンプを通じて若者が獲得できるのは経験であり、自分の秘めたる可能性を見つけられる機会です。オンラインでのチームワークが苦手であることがわかることも重要ですし、逆に得意だと感じることも重要です。

初めてであったり、不慣れであったりする部分は育て上げネットの職員/講師がしっかりサポートします。これまでの「働く」や「職場」のイメージや経験が、ステップ・キャンプのものとは異なる場合、ぜひ、参加してみていただき、その違いや在り方について一緒に学んでいければと思っています。

8月24日から9月10日までの週2回、一回2時間という短期的なプログラムですが、若いひとたちが新しい自分に気が付ける機会、環境を準備して待っています。

理事長 工藤 啓


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