事前打ち合わせを終えて、約一時間後に神戸で開催されるはずだったイベントが開始される間の時間に書いています。コロナ禍のなかで、ウェビナー形式でありながら、登壇者は会場の予定も変更になりました。立川にある育て上げネットの事務所、配信スタジオでひとりです。
先日、日本マイクロソフト社からプレスリリースがありました。
就労支援に向けたデジタルスキル習得施策「グローバル スキル イニシアチブ ジャパン(Global Skills Initiative-Japan)」を開始
リリースの[2]で、コロナ禍の影響を受けた方、仕事に困難を抱えた方向け、というところに、育て上げネットもパートナーとしてご一緒させていただくアナウンスがあります。
本プロジェクトのサイトはこちらです。
Global Skills Initiative:新型コロナウィルスの影響を受けた方達のスキルアップと就労を支援し、「未来」につなぐ。
カッコいいコンセプト動画も作成していただきました!
Global Skills Initiative Japan Concept (YouTube)
12月15日発表時点で掲載された賛同企業さま、連携NPOさまのみならず、本当にたくさんの連携のための話し合いを日夜続けています。
リリース後も、どうしたら一緒にやれるか。企業として賛同参画したいが可能か、というお問い合わせもいただいています。行政からもあります。
多様なひとたちが、コロナの影響を受けて厳しい環境にある中で、「スキル」や「雇用・労働」の側面から手をつないでやっていこうというお話をたくさんにいただき、「みんな」で一緒にやるということはやっぱりいいなぁとしみじみ感じています。
ここだけ切り取ると、たくさんの仲間と一緒にできることを最大限にするため手を結び、というところになるのですが、やはり、少し舞台裏にも触れた方がいいかなと思っています。
さまざまな連携にはいくつか種類があると思うのですが、スピードが圧倒的に速いのが経営者や経営層が「やる」を決めて、ものごとを動かしていくスタイルです。ここで重要なのは、日常時から個人間の関係性があるということです。相手が誰かわかっていて、信頼関係があり、そして経営層だからこそ判断を上に仰いだりという調整は少なくなります。
その一方で、個別では関係性があったり、なかったりで、組織をベースに関係者で意見交換しながら進めていくのは結構時間がかかります。ある程度の裁量があっても、当然、組織の方針や意思決定プロセスは、個々の組織によりますので、その場で「よしやろう」とはなかなかいきません。
そんなことは当たり前ではありますが、いまのように関係者が集うことも難しく、たくさんで集まっても画面は一枚、個々に話し合うとしても日程調整して、画面越しに打ち合わせてと、やっぱり時間がかかります。
もちろん、それぞれがプレーヤーの側面もあるため、決めたことを誰かに任せるだけでは終わらず、それ以外の仕事を含めてこなしながら進めていくというのは、簡単ではありません。特にこれまでリモートもあって仕事をしてきたひとばかりではありませんので、慣れ不慣れというのも当然生まれます。ツールも慣れ不慣れがあるので、あまり触ったことないツールで、何かしら不具合があったとき、その原因を焦って見つけようとしながら時間だけが過ぎていくなんていうことも。
やりたいこともある。誰かのためにも共通している。ただ、あと少し時間があればもっとよいアイディア出るかもというとき、次のオンライン会議がスタートしてしまう。僕は少し延長できても、全員がそういうわけにはいかない。会議が終われば、ひとり配信スタジオで一息つきながら、ちょっといいアイディアがあっても、すぐ目の前の誰かに打ち明けてみることもできない。
僕自身は、リモートワーク環境によって、電車などでの移動がなくなり、子どもたちのための時間を確保することもできるようになりました。自宅と職場が自転車なので、子どものお迎え含めて生活圏の中に仕事も入ったイメージです。公共交通機関の遅延で焦ることもほとんどありません(必要に応じて都内に出ることはあります)。
ただ、よくよく考えてみると、連携することができた。協働が実現した。それぞれの組織同士で手を握り、契約書なども作って、動き出せている。そこは大きな充実感ですが、舞台裏ではかなりバタバタしたり、スケジュール調整が後ろにズレてしまったり、ということもあります。
たぶん、多くの場所で、多くのひとが、ひとつの何かを作り上げるために、新たな社会環境のなかで、奮闘されていることと思います。実際に効率的になったところもありますけれど、舞台どころか、舞台裏でもひとりでいるような感覚、配信スタジオでスクリーンとにらめっこしているような時間もあるという事実は、この一年の振り返りとともに、関係各所のみなさまに言葉を借りて御礼と「おつかれさまでした!」をお伝えしたいと思います。
工藤啓