こんにちは。家族相談「結」担当のガコです。今年も残すところわずかとなりましたね。何かと忙しい時期かと思いますが、みなさん風邪などひかれてませんでしょうか?
2019年5月に、WHO(世界保健機関)はゲームのやり過ぎで日常生活に支障が出る「ゲーム障害」を国際疾病として正式に認定しました。スマートフォンなどの普及でゲーム依存の問題が深刻化し、健康を害する懸念が世界的に広がっています。
結にも「子どもがゲームばかりで・・」と心配されている親御さんが相談にいらっしゃいます。今日はその事例を1つご紹介したいと思います。
ゲームばかりで将来が不安
小学4年生のお子様に悩むシゲタさん。
「普段オンラインゲームしかしない。外に出て遊んでほしいのに休日も家から出ない。なんとか学校には行けているけれど、このままで将来大丈夫かと不安になって・・・」とご相談にいらっしゃいました。
シゲタさんはこれまで、ゲームをやめさせようと時間を決めたり、ソフトを誕生日にしか買わなかったりと制限をかけていました。それでもお子様がやめられなかったのには理由があったようです。
親がコントロールできる範囲外に
お子様は、新しいゲームソフトのあるお友だちの家でゲームをしたり、親が隠したゲームを見つけ出し、留守の間にゲームをしたりしていました。もう親がコントロールできる範囲を超えてしまい、シゲタさんはこれ以上どうしたら良いかと悩まれているところに結に相談に来てくださいました。
この状況ではゲームをやめさせられないだけでなく、親子関係も悪化していく可能性もあります。そこで私たちは、「ゲームを“やめさせる”ことを一旦やめましょう」とご提案しました。
子どもとの対話で折り合いをつける
このまま制限をかければかけるほど、お子様は隠れてやる方法を探すことになってしまいます。こんなときには、子どもとの対話で「子どもが望むことと」「親が望むこと」の折り合いをつけることが必要です。どうしたら子どもも、親も納得できるのかを一緒に考えます。
シゲタさんにはまず、「オンラインゲーム=ダメなもの」と決めつけずに、ゲームに興味を持ってお子様の話を聞くことから始めていただきました。辛抱強く対話を続けていかれた結果、いくつかわかったことがありました。
・お子様はサッカーが好きで練習は基本的には休まないで行けること
・友達と時間を約束してオンラインゲームをしていて、その友達も大事にしたいこと
そして3つの約束をすることができました。
1.サッカーだけは続けること
2.休みの日はゲームをしてもいいから、オンライン上で友達と遊ぶ時間を親にも伝えること、それ以外の時間は何をするかも伝えること
3.決めたことを守れないと思ったら相談をして、また一緒に考えること
ゲームを辞めさせることよりも先にお子様と対話をしてみてください。大事なことは、どんな約束をするかではなく、対話を通して約束をすることです。それは子どもが将来自立する上で必要となる交渉力を身に付けることにも繋がります。
結ではこのような悩みをお持ちの方向けに1月にセミナーを予定しています。
「ネット依存」外来を担当する臨床心理士・公認心理師である中島涼子さんをお招きし、ネット依存の概要や対策等を伺います。詳しくは下記をご確認ください。
▷もしかしたらわが子はネット依存?と思ったら-親としてできること、治療の現場から
ご参加お待ちしております。
ではお体に気を付けて、良い年末をお過ごしください。