こんにちは、家族相談「結」のスタッフ、キタです。
電車に乗ると、制服が少し大きめのピカピカ一年生に遭遇します。受験勉強を乗り越え、夢と期待で胸が膨らんでいることと思います。
事例として、A君をご紹介します。
“神童”と呼ばれて
成績優秀で、先生方や周りの生徒たちからも信頼が厚く、生徒会にも選ばれるような自慢のお子さんだったそうです。
見事、第一志望の中高一貫校に合格し、新たな生活にも胸を躍らせていました。
しかし、スポーツが得意な子、友達が多い子、そんな自信に満ち溢れた同級生たちの存在に少し気後れしてしまいました。自信のあった勉強でも初めての定期テストの成績は今ひとつ。
しかも、クラスで一位だったのは、部活一筋のB君。勉強が好きで部活にも入らず、一生懸命頑張ったのに、かなわなかった。
それから何をやっても上手くいかなくなり、学校に行くこともつらく、とうとう学校に行けなくなりました。
まさか、自分が不登校になるなんて…
家の中は安全地帯
そんなA君を心配した親御さんから相談を受けました。
部屋から出てこない、返事もない。そんなエネルギー切れの様子を感じ、まずはエネルギーを溜めてもらうことから始めました。
「おはよう」
「今日は何か食べたいものはある?」
「おやすみ」
私たちは親御さんに2つのお願いをしました。
返事はなくても、あいさつや他愛のない声かけを続けること。
そして、穏やかにゆっくりと静かな声をかけること。
すると次第に会話ができるようになり、A君は家事の手伝いを始めるまで回復。
「お皿洗ってくれてありがとう、流しまで綺麗で丁寧だね」
など、できたことを丁寧に伝え、また、それを任せてみます。
「いつ学校に行くの?」とは聞きません。
温かく見守り続けることに徹してもらいます。
A君にとって、家は自分を守ってくれる安全基地だからです。
「学校、行ってみようかな」
少しずつ元気になってきたころ、夏休みがやってきました。
以前から興味を持っていたパソコンの話をしてみると、気持ちが高ぶったのか一念発起!
パソコンの自作にチャレンジするため、一緒に秋葉原に行くことにしました。
お店の人に教わりながら色々と部品を購入し、自分の好きなように改造する日々はA君にとって心地よい時間だったようです。
もっとパソコンについて知りたいと、新たな希望を持つようになりました。
夏休みがあけると「学校に行ってみようかな、パソコン部に入りたい」と元気を取り戻した様子。
現在はパソコン部の友たちと会うのが楽しみで、学校に通うようになっていきます。
部員の皆は話の合う、ワクワクした気持ちが湧いてくる、もうひとつの安全基地になったようです。
これまで1番だった勉強に、上がいることを知り、自信を失ってしまったのかもしれません。
しかし、自分の好きなことを気の合う仲間たちともに育み、新しい自分を見つけることができました。
早い段階でご相談を
もし、お子さんが学校行き渋りはじめ、不登校かな?と、思ったら、早い段階で第三者にご相談することをお勧めします。
A君の親御さんは、スクールカウンセラー、学校の先生はもちろんのこと、外部の第三者にも繋がってそれぞれから情報を得て不登校の長期化を防ぐことができました。
お子さんの将来を不安に感じたら、早い段階でご相談してください。
いつでもお待ちしています!
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